15.この時代の変わり目に

8月15日

「大学を誘致したところで、いやぁ思ったほどではなかった、というのは郊外の大学でいくらでも起こっている」

出演:関口宏(自称テレビ屋)、君和田正夫(独立メディア塾塾長・元朝日新聞・元テレビ朝日社長)、田中優子(法政大学総長・江戸文化研究)

前回

君和田 地方の振興策って、もっと気合い入れて話し合わなければいけないですよね。

田中 私、それもね、今日お話ししたかったんですよね。

関口 地方?

田中 いまの地方創生って、なにか間違ってるような気がする。

君和田 俺もそういう感じするなぁ。

関口 一極集中全然止まってないでしょう。

君和田 小池さん、なにやるんだっていうね。なにもやんなくていいって、オレなんかは思うわけ。

田中 むしろ、なにもやらないように。

君和田 東京に人が来ないようにしろと。

田中 たしかに、それも必要ですよね。

関口 もったいないですよね。僕ね、あの地味な番組でご存知ないでしょうけどね、日本の都道府県を紹介する番組をやってるんですよ。

田中 見たことあります。熊本とか。

関口 ありがとうございます。すべて、やろうと思っている。話聞くと、いいとこたくさんあって、でも人がどんどん少なくなって。もったいないなぁ。

田中 でも家は広いしね。朗らかに生きてるしね。そういう意味でも、いいんですよ。とても。別に、悲惨でもなんでもないんですよ。ただ少なくなっているだけなんです。

関口 それが、なんとか、どうやら止まるんですかね。

田中 そこが手を打ててないって気がするんですね。って国家戦略特区って、あれもなんか変な雰囲気がして、あれは自治体が、たとえば、加計の問題もそうだけれども、あれ大学作るということになったときに、自治体が土地を供与すると、それから建築費も相当出してるんですね。

関口 らしいですね。

田中 だけれども、自治体だけで支えられるはずがないので、国からそれがまた来るんだと思うんですよ。そうすると、いろいろなところから税金を投入して、やるんだけれど。じゃあ、たとえば、大学が、そういう非常に地方にできたときに、地方の活性化につながるのだろうかという疑問がずいぶんあって。企業が入るんならいいんですよ。それから、企業と一緒に行くんならいいんですよ。そうすればいろんな研究があったり、卒業生がその企業で働いたりということが起こるだと思うんです。大学がポツンとあったとしても、結局私の経験からいうと、大学って、年の半分は学生いないんです。半分が極端でも5ヶ月はいないんです。たとえば、食堂業者が大学に入るときに、どうするかっていうと、なかなか入ってくれないので、それで大学生協っていうのがあって、みなさんそこのところは、なんとかしながらやってくれるわけですよね。そういう特殊な組織を作っていかなければ、もたないんですよ。それほど、大学関係って、儲けがないっていうか。

関口 ということは、地方創生には、それほど役には。

田中 役に立たないんじゃないかと思うんです。たとえば、住まいっていっても、寮を作ったりするってことがあるとしても、高ければ入りませんからね。

関口 そうですね。

田中 それから、学生たちはなるべく都会に行こうとするので、都会に住んじゃって、大学に通う可能性もありますね。そういうような行動をとりますから、案外、大学を誘致したところで、いやぁ思ったほどではなかった、というのは郊外の大学でいくらでも起こっているですね。

関口 だから、きちんとできた計画の上で、あれが動いてるわけじゃないんですね。ごく一部だけが、これだけやろうじゃないか、みたいな。

田中 それが、ちょっと変なんですね。街自体を作ろうとか、ということならいいんです。だけど、ポツンと何か作るというのでは効果がないんじゃないかと思うんですよね。

関口 だから、僕はこれも教育なのかもしれないけど、小学生、中学生のときに、地方の良さみたいね。たとえば、教えないから、なんだろうなぁ、山が荒れ放題になってるけど、その木を管理しようとか、野菜作るのはこんなに楽しいことなんだよ、とか。知らないからね。子どもたちは。だから、みんな学校卒業したら会社に勤めるもんだという感覚のなかで教育されてる

田中 そうなんです。仕事の範囲が狭いですよね。もっと、たくさんの仕事があるのに。

関口 小学校、中学校で教えてないと、あぁ、じゃあボクは地方に住もうとかって人が出てこないよね。

田中 いま、少し始まっているのが、小学生、中学生の留学制度。国内で。地方に行って、しばらく住む

関口 いいじゃないですか。

田中 あれが、もっと広がるといいと思うんですけどね。

関口 そうすると、なんか自分で向いている人が出てきますよ。全てが全てというわけにはいかないだろうけど。

君和田 もっと、まちづくりから考えていかないとね。大学一個呼んだからいいという話ではない。

関口 ないですわね。

君和田 雲の上の城の高梁っていう、高梁市っていう、あそこがね、市の職員が、若い連中がみんな市外に住むようになっちゃったって、市長が嘆いているわけ。で、どうしてですか?って言ったら、産婦人科がなくなっちゃったって、市内に。だから、若い人は、子供を産もうと思ったら、どうしても病院が近いとこ、というと市外になっちゃう。だから、そういう病院施設からなにから。

関口 全てがね。それが、街ですからね。

続く

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