16.この時代の変わり目に

8月16日
「日本の食料自給率。TPPと教育行政」

関口宏(自称テレビ屋)、君和田正夫(独立メディア塾塾長・朝日新聞・テレビ朝日元社長)、田中優子(法政大学総長・江戸文化研究)

前回

関口 いやまぁそこに話きたなら、私も今日はちょっと何か話が詰まった時に、ちょっと話そうかなと思って考えていたのはね、日本の食料自給率。これが40切ってるでしょう。これをほっといていいんですか。まっ、私になにかできるわけでじゃないけど。これは、日本の高度経済成長を目指した、あの日本の、なんといいますか、名残というか。

君和田 ツケが。

関口 回ってるんですよね。いずれ、多分世界の食料の取り合いに、もうなってんのかな、なるでしょう?その時に、自給率がちゃんとしてないといかんのじゃないですか?

田中 だからTPPっていうのは、やっぱり危ない。

関口 危ない。

田中 やはり、さきほど江戸時代のことで言ったように、江戸時代の決断っていうのは、自分で作ろうっていう。輸入しないで、自分で作る。自分で作ろうという決断をすれば、そういう技術を持った人がどんどん現われるから、それで職人の時代になったんですね。同じように、農業にしても、非常に農業ってやりがいのある仕事ですから、工夫のしどころがものすごくたくさんある仕事ですから。で、そういうところに、この多くの若者たちが行って、新しい開発をしようと思ったら、いくらでもできますよね。そうやって自給率を高めていかないといけないですよね。

関口 ねぇ。そういうことが面白いことなんだということを、子どもの頃に体験してもらって、あぁオレこういうことやりたいって気づいてもらわないとね。だから、その画一的な教育ってのは、どっかで見直していかなければいけないよね。少し始まってるという話を最初にいただきましたけれど。

田中 だけどね、たとえば大学の就職を扱うキャリアセンターってのがあるんですが。キャリアセンターには、農業の紹介は無いんですよ。

関口 ない?

田中 えぇ。だから、そういうところから必要かと思ってますね。

君和田 農業に企業が参入するのを、一時期だいぶ抑えちゃったでしょ。あれが、やっぱり惜しかったっていうか。一般の企業がね、農業に進出するのが、ずぅっと抑えてた時代が長く続いたんですよ。

田中 農協があったし。

君和田 そう。

田中 それは、構造を変えないと無理ですよね。ただね、時々テレビなんかで拝見するんだけれども、若い世代の農家の方々が、やっぱりインターネットを使って、現在温室の中の管理などがどうなってるか、全部センサーを使ってインターネット上で管理して、田んぼ全体の非常に広い場所でも、どことどこは誰の田んぼで、ここはいまどうなってるのかは、インターネットで管理しているというのを見るんですよ。あぁ、こういう人たちが出てきたと、で、そういう人たちが広がってくれば、つまり農村というのは、土とだけ格闘するわけではなくて。その、インターネットも使えて、でパソコンも導入して、いろんなことやりながら総合的な仕事なんだっていう、ことに気がついてくるんですよね。

関口 あれ、漁師さんでもやってる人がいますよね。魚の取れたのを、すぐネットにあげて、欲しい人に送ります見たいな。あれは、ひとつネットの使い方としては、利口なのかもしれない。でも、そのなり手ですよね。農業にしても、漁業にしても、林業にしてもなり手を育てないとねぇ。

田中 教育行政のあり方としても、むしろそれを増やすという話ならわかりますよね。

関口 ねぇ。そういう動きは見えない?

田中 見えないですね。

(続く)

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