19. この時代の変わり目に

8月19日
「反論を言われたり、困ったなぁと思ったり、衝突があったり、そういうなかで、なんとか、私はこうなんだという言葉を紡ぎ出すわけですよね。そこに、クリエイティブになる」

出演
関口宏(自称テレビ屋)
君和田正夫(独立メディア塾塾長・元朝日新聞・元テレビ朝日社長)
田中優子(法政大学総長・江戸文化研究)

前回

関口 それいまね、感じている若い人たちが、たくさんいるんじゃないかと思うんですよ。あの、結婚しない人が増えてるみたい。若い人で。するとね、ひとりになったときに、なにしてるか。することなくて、結局これやったり、これやったり、

田中 インターネットの向こう側と繋がってる。パソコンの向こう側と。

関口 それ見てるとね、あ、危険だなぁって思うっていうか、要するに、気晴らし、気まぐれやってるんですよね。こういうものは。全部ね。そのとき、時間は潰れるけれど。だけど、ずーっとその延長線上で生きてっていっちゃうわけでしょ。だから、外からの刺激を受けながら、自分のなかで消化する時間があるのかな?ちょっと心配するときがあります。いかがですか?

田中 そうやって結局視野が狭くなる、ということになると思うんですね。

関口 でも、視野が広がると思ってるんですよ。そういうことやってれば、どんどん情報が入ってくるし。

田中 多分、そのときには、自分の気に入った情報しか入れてませんよ。だから、政治的な立場もそうなんですが、ある方向を自分で決めてしまえば、それに都合のいい情報だけ受け取るようになりますよね。それでインターネットは、それがやりやすいって人間関係の中では全然違う意見を言う人が現れたり、そういう会話のなかで、自分が間違ってんじゃないかなと思ったり、けしからん奴だなと思ったりするわけですよね。そういう人間関係から、視野って広がるわけですけど。ですから、そういう意味で、ひとりになってインターネットだけ向き合ってるっていうのは、やっぱり視野が狭くなる。

関口 変な知識が増えるけど。ねぇ、やたらよく知ってますよ。調べようと思うと、いまさっと調べられるし。知識は、我々のときより、いまの若い子たちのほうが、はるかに持ってるんじゃないかと思いますよ。だけど、自分のなかで消化するというかな。

田中 そうです。消化できないものを飲み込んで消化するっていう。そこから、自分の言葉を紡ぎ出すとか。それが、できないっていうことですよね。ひとりでいると。

関口 そこは、ちょっと僕は心配なんですよ。

君和田 そこを、ひとりひとりがやってるから、絶対に会話が成立しないんですよ。さっき言ったすれ違いの、相手を痛めつけない会話になるんですよ。

関口 傷つきあわない。

君和田 傷つけられたくない。相手も傷つけない。安倍さんみたいになっていくんです。安倍さんは、相手は傷ついていくけど。自分は傷つかないけど。

関口 でもそういう人が増えているのは、ちょっと心配なんです。

田中 心配です。それは、結局能力を高めないので。

関口 能力を高めないというのは、どういうことですか。知識は増えてますよ。

田中 知識は増えても、それはただの知識ですから。知性にならないとか、思想にならないとか、そういう意味なんですよ。

関口 はい。

田中 ですから、自分の言葉として鍛えるというのは、いろんな反論を言われたり、困ったなぁと思ったり、衝突があったり、そういうなかで、なんとか、私はこうなんだという言葉を紡ぎ出すわけですよね。そこに、クリエイティブになるということなんだけれども。結局、都合のいい情報に囲まれてるとクリエイティブになれない。

 

これまでの時代・これからの時代。現代への憂と期待を、大人たちが語り合う。いかがでしたでしょうか?田中先生のクリエイティブ論。スマホだけイジっていると知識は増えるが、知性にならない。シニア世代のリベラル鼎談。毎日配信しています。カレンダーの日付をクリックすると、その日の動画がご覧いただけます。



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