25. この時代の変わり目に

8月25日

「世界構造のなかで、幸せと不幸せを押し付けていく」

出演関口宏(自称テレビ屋)、君和田正夫(独立メディア塾塾長・元朝日新聞・元テレビ朝日社長)、田中優子(法政大学総長・江戸文化研究)

前回

君和田 失業率なんかは、ほとんど完全就業に近い数字になっているけれども。あれもね。非正規社員の。

田中 そうです。格差。

君和田 格差で底上げされた失業率なんですね。下げられた。

関口 格差も止まらんでしょう。これがまぁ日本だけじゃなくて世界的な諸悪の根源みたいになってきちゃいましたよね。あれは、なんで起こり始めましたかね。格差がこんなにひどいことになったのは、やっぱりアメリカの金融商品を作ったり、あぁいうことからですかね。

君和田 自由経済っていうのは、これがすべてなんですよね。きっと。

田中 もうちょっとさかのぼると、やっぱり植民地主義なんかじゃないかと思うんですよね。やっぱり、アフリカはフランスが入っていましたよね。インドシナもフランスが入ってましたよね。あとイギリスがインドに入ったり。いろんなヨーロッパ諸国がそうやって世界中支配していたと。それから、スペインが南米に入って。いま言ったそれぞれの国って、やっぱり格差がそのまま残っているんですよ。そのかなり長い時間にわたって、支配されることによって、自ら政治を作っていくとか、自ら国を作っていくっていう意欲がなかなか湧かないまま、きてしまっている民族って、ずいぶんあるんだと思うんですよね。

関口 それもあるでしょうね。だけど、もうひとつ僕なんかは、やっぱり資本主義って我々は良いことのように、若いころから教わってきたけど、この落とし穴もあるんじゃないか。資本主義は資本主義で、格差が生まれるようなものの考え方なんじゃないかなという気がするんですが。それはどうです?

田中 そうですね。豊かさとか貧しさのこの区分けが。たとえば、わたしも経験してるんですけれども、戦後の社会って、子供として自分の生活が貧しいっていうふうに思ったことってないんです。客観的にみると貧しいんですよ。

関口 うん。

田中 だけど、自分では思ってないわけですよね。で、そのアジアとかアフリカでも同じことが起こっていて、コミュニティができていて、べつにそれほど豊かではないけれど、それでいいや、これで充分だって思ってる人がたくさんいるとしますよね。でも、そこに外から、たとえばアメリカの物資がどんどん入ってくると、いうことが起こったときに、こっちが豊かなんだっていわれて、じゃあ私たち貧しいのかっていう。

君和田 うん。

田中 こういう感覚が生まれた。戦後の日本もそうだったと思うんです。とすると、これに追いつかきゃなんないなっていうことで、競争が始まる。そうすると、落ちこぼれるということがある。そこで、格差というものが、現実に生まれてしまう、なんてことがあるんです。ですから、それがひとつのグローバリズムが生んだ格差、だと思うんですよね。そういうようなことが繰り返されてきて、甚だしくなってきたと思いますね。

関口 あの、わたしたちは幸せですと言ったブータン。あそこに資本主義が入っていくと、その幸せ感が壊れていくんですよね。それはなにかっていったら。あるドキュメントで言ってた。これは当たってるなと思うのは、その幸せ感は、人との比較

田中 そうです。一度サンデーモーニングでやりましたよ。幸せの経済学。

関口 やりましたかな。あの人に比べて、私は不幸だとか、あの人に比べて私は幸せだということを、なんかアメリカ資本主義が教えていくというか。

田中 世界構造のなかで、幸せと不幸せを押し付けていくっていうんでしょうか。そうすると、幸せになりたいっていうことは豊かになる。経済的に豊かになることだ。それが結びついちゃうんですね。決してそういう結びつきではないと思うんですけど。

関口 なんか、あのものの考え方の落とし穴があるような気がするんだけど。まだ、世界的にそこにみんなで気がついたわけではないじゃないから、まだまだ行っちゃうでしょうね。

続く

 

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