27. この時代の変わり目に

8月27日

「ジャーナリズムというのは、そのなかで、儲けを意識しない部分なんだと思うんですよ」

出演:関口宏(自称テレビ屋)、君和田正夫(独立メディア塾塾長・元朝日新聞・元テレビ朝日社長)、田中優子(法政大学総長・江戸文化研究)

前回

関口 あとはどうでしょうか。若い人たちへのメッセージ。あの、ジャーナリストが、あまり、なり手がどんどん少なくなっていることに対して、危惧は感じませんか?

君和田 魅力のない職業になったんだなと思いますよ。

関口 なんでだろう。

君和田 だから。。。

田中 締め付けが。

君和田 締め付けっていうかね。。経営者含めた、経営自体が一般企業化しちゃったんですね。多分。で、新聞、特に新聞の場合、いいとこでもあり、悪いとこでもあるのは、たとえば朝日新聞だったら、村山、上野家みたいのがあって、社主家ってのがあって、それでずっとやってきたでしょ。お前ら勝手にやっとけと。その間に上野家や村山家は、大阪の中之島に土地を買ったりして、そこにビル作るっていったら、地価評価が1坪100円とかなんとかっていう、とんでもない安い、そういう財産があるわけですよ。いままで。それがそういうの使い果たしていくと、もう普通の企業になっちゃうわけですよ。そうすると、あいつ1ヵ月間も何も書かねえと。特ダネ追っかけてというのは、そういう人はいづらくなってくるんでしょうね。おそらく。

関口 新聞社系なんかそうかもしれないね。そういうところあるんでしょう。だけど、ジャーナリストがいなくなったら、一般の人は、世の中のことわかんなくなっちゃう。だから、そのジャーナリストの生きがいみたいものがね、若い人に浸透してないというか。

君和田 してないね。

関口 ねぇ。だから、どんどん少なくなっちゃう。これは、どうすればいいですかね。

君和田 テレビ見ててね。いつも思うのは、ジャーナリストって、すぐできんだなぁと思うのは、犯罪ジャーナリストというと、こないまで、警視庁の刑事かなんかやっていた人が、退職したあと犯罪ジャーナリストって、出てくるんですね(笑)。

田中 なんとか評論家がすぐにでるみたいな。

君和田 うん。だから、あ、誰でもなれるんだと、こう思っちゃうわけですよ。

関口 そういうもんでもないんでしょ。それは。先輩としては。

君和田 メディアとジャーナリズムって、明らかに違うと思ってて、メディアって、やっぱり儲けなければいけないんですよ。伝達手段を確保するためには。ジャーナリズムというのは、そのなかで、儲けを意識しない部分なんだと思うんですよ。

関口 うん。

君和田 だから、その儲けを意識ないハズの部分が、いま。たとえば、菅さんの記者会見なんかだって、パソコンでこうでしょ。

関口 カチカチカチカチって。

君和田 ね。おまえ、なにやってんだっていうとね。政治部全員に送って、情報共有するんだって。それじゃあ、なにも質問なんかできないじゃないかと。

田中 (笑)

君和田 ね。そうなってくるでしょう(笑)。さっきの、これの悪いところって、そういうところにもでてるんですよ。メモで回せばいいじゃないと、メモとりながらね。

関口 でも、この方が早いんでしょう?

君和田 早いんだよね。

関口 でも、会社命令でもあるわけでしょ。だから、音ばっかりですよ。記者会見。カチャカチャカチャ。

君和田 新聞は、まだね上場してないから、いいんですよ。あんまりね、そこに触れる人いないんですよ。テレビは上場しちゃったんですね。これはね。もう上場するかしないかっていうのは、決定的に違いますよね。

田中 じゃあ株主総会やったりするんですね。

君和田 やってますよ。株主総会。僕なんかもずいぶん罵倒されて。

関口 ホントですか。なんか怒られたことあるんですか?

君和田 怒られましたよ。

関口 なんで。

君和田 (笑)テレ朝が朝日新聞の株を約10%買ったことがあるんですよ。そしたら、もう。これはね、株主総会で村山家救済策じゃないかとかね。そんなことなくて。それまでは、朝日新聞が約30%テレ朝の株を持っていて、テレ朝は朝日新聞の株はなにも持ってない。極めて一方的な関係だったんです。だから、社長はいつも朝日新聞からくる。だけど、わたしの考えは、もうこれだけ時間が経ったんだから、プロパーの社長をつくるべきだっていうのが、わたしの。

関口 ずっと新聞社から来た人はテレビ朝日の社長をやりましたからね。

君和田 それをもう止めると。そのためには、株式ゼロというわけにはいかないだろう。というときに、たまたま偶然そういう話が来たんで。香雪美術館かなにかの話で来たんで、それじゃ10%買おうってことになって。それで、10%買った。これがね。もうね、朝日新聞救済策だっていって、ガンガンやられたですよ。株式の持ち合いはね、あなたは経済部にいたんだからわかるだろう。株式の持ち合いなんて、そんなものね許されるのかとかね(笑)。それは、テレビが新聞と対等であろうとするには、そうせざるを得ないんですよ。

田中 なるほど。

関口 でもなんか。そういう企業としてのジャーナリズムは、なんか息詰まっちゃいますよね。ずいぶんさっきからの話の前のほうででたね。みんなで助け合って、ジャーナリストはね、組織を持つみたいなね。

田中 これからは、それしかないと思うんです。それも情報を獲得しなければならない範囲が世界に広がってしまってますから。世界的に連携しなければ間に合わないですよね。

関口 それは遅れてるでしょう。

君和田 遅れているというか、手の打ちようがないところまで来ちゃったのかな。それこそ、法政のあのコースに入ってもらって、ダイバーシティとグローバル化。社会メディアコース。

田中 社会学部のメディア社会学科っていうのがあって、わたしは、そこの教師なんです。本当は、そこを、グローバルジャーナリズムコースとかにしたいなと思ってるんですよね。

君和田 お題目だけホームページで見て、こういうのがある大学ってないよなって思って見てたんですよ。あれは大事ですよね。新聞記者根性とか、ジャーナリズム論って抽象的になりがちなんですよ。それを、やっぱりあぁいうコースなんかで、もっと具体的に、上場とはなんなのかとかね、組織とはなんなのかとかっていうのを、やらないと多分だめなんだと思うんですよ。

田中 でも、ほんとに大事ですよね。

君和田 大事だし。その大切さを、いまの学生さんたちにね。教えてあげてほしいんですよね。そのやりがいを、この仕事で、こんな幸せも得られるよっていうの教えてあげないと。なんだかめんどくさそうというだけで、その仕事を選ばないっていうふうになってるんじゃないのかなって。どうですか。法政からジャーナリストは育ってきますか。

田中 後藤健二さん。亡くなった後藤健二さんですが、法政から育ったジャーナリストでしたけれどね。あぁいう仕事を見ていると、たしかに命の危険もあるような仕事ではあるけれども、とにかくそういう事件からも学んで欲しいというメッセージを出したんですよね。

続く

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