29. この時代の変わり目に

8月29日

「高校のときに、政治教育をすればいいのかっていうと、現場の先生たちは困っちゃうわけです。」

出演:関口宏(自称テレビ屋)、君和田正夫(独立メディア塾塾長・元朝日新聞・元テレビ朝日社長)、田中優子(法政大学総長・江戸文化研究)

前回

関口 さて。未来に向けて、ちょっとお話しを頂きたいんですが。まぁ、最近、政界でいろんなこと起こりましたが。政治に対して、若い人が関心がどうですか?

田中  二極化しているということがあります。つまり、非常に関心のある学生たちは、外に行ってデモをする。でも、これやっぱり少ないです。

関口 少ない?

田中 えぇ。で、多くの学生たちは、よくわからないっていう状態。

関口 なぜわからない。まぁ、僕だって若いときは、人のことは言えないな。あんまり関心はなかったもんなぁ。

田中 私は関心があったんですけどね(笑)。大学生の頃は。

関口 失礼いたしました。

田中 大変関心があったので。どうして、いま関心がないのかっていうのは、ちょっとわからないんですよね。多分、自分の生活をどういうふうにしてくれるかっていう視点で考えてしまうと、そんなに今の生活悪くないじゃないかとか。安定してるじゃないかとか。たとえば、大学に行かれるような階層ですからね。どうしてもそういうふうに考えてしまう。そうすると、なにか別に、変えなくてもいいんじゃないの。変える必要というのを、感じないというんでしょうかね。

関口 あぁ。それね。私のやってるサンデーモーニングでも、若い人たちにアンケートを取ったことがあって。安定を求めているんですね。そりゃ、安定はある意味、魅力だけど。だから、今みたいな。そういう考え方。安定でものをみようとすると、なんか、みえなくなっちゃうことってありますよね。これどうですか君和田さん。

君和田 私も、田中先生も一緒で、学生時代、政治に結構関心があったんですよ。それはなぜかっていうと、60年安保があったりね。また10年たつと、70年安保っていう。なんか政治に関心を持たない学生ていうのはアホだっていう。

田中 っていうのがありましたね。

君和田 だから、どうしても関心を持たざるをえなかったっていうのが、あると思うんですね。それと比べて、いまは、そういうものに匹敵する政治マターが少なくなってるんじゃないかな、と思うんですね。

関口 そうなのかなぁ。

君和田 で、彼らが、また求める安定というのは、安定を象徴するものは、なにかっていったらば、たとえば、大学を出るときの就職率の問題だったり、給料が上がっているか、下がっているかとか、いう話だったり、そちらにどうしても、関心が向きがちなのかなぁ、と思うんですね。

関口 そうでしょう。あの公務員になりたがる人が多いというのも、あれは、安定を求めてるんですよね。

君和田 消防士の倍率が高い。

関口 消防士?

田中 確かに安定してるかもしれない。しかも人に貢献できるとかね。

関口 それは、悪いとは言いませんけどね。だけど、安定の落とし穴がありますよね。

君和田 いま投票権が18歳まで引き下げられているわけだから。高校卒業したと同時に、政治に、なにか意見を言う機会が与えられたわけですね。だから、ということは、高校時代にどう考えているかっていう話に繋がっていくと思うんですね。

関口 これも教育の問題はあるでしょう。学校でどうしてるか。

田中 あるんです。あるんですが、これ難しい点がありましてね。じゃあ、高校のときに、政治教育をすればいいのかっていうと、現場の先生たちは困っちゃうわけです。党派偏っちゃいけないとか、偏った考えを教えちゃいけないとなっているので。そうすると、現場の先生が、自分の考えを言えるかどうかっていう問題なんですね。本当は、自分の考えを言って、それをどう思うかってぶつけて、人間対人間として、議論しなければならない。そういうなかで初めて、政治って大事なんだとか、面白いんだとかっていうふうになるんだと思うんですよ。ところが、公平性とか平等とかということが、教育を縛っているところがあって。そうすると、本当に18歳投票ってこのままでできるのかなっていうのがあるんですよね。もうちょっと、そこは考えなければいけないと思います。

続く

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