6.この時代の変わり目に

8月6日
これまでの時代・これからの時代。現代への憂と期待を、大人たちが語り合う。

<出演>
関口宏(自称テレビ屋)
君和田正夫(独立メディア塾塾長・元朝日新聞・元テレビ朝日社長)
田中優子(法政大学総長・江戸文化研究)

前回

関口 その文章能力が落ちたっていう。まぁ、君和田さんは朝日新聞にいらっしゃったけど。そういうところにも、最近は、文章能力が落ちた影響が出てる、っていうんですね。

君和田 そのメディアのほうにですか?

関口 それは、なにがそうさせましたか?

君和田 テレビと新聞はかなり事情が違うところがあると思うんですね。

関口 新聞でいいですよ。新聞はなぜ少し質が落ちてきたか?

君和田 それは取材の方だと思うんですよ。文章力の問題というよりも、取材力だと思う。

関口 取材力がないから文章力も落ちている?

君和田 もちろん、そうだと思いますね。取材力が、昔はあったかって言うとね、胸張ってあったよなんて言えないけれど、俺なんかはない方だったと、自分では思ってるけど。組織的にもっと手厚くしていたと思うんですよ。記者の数とか、含めて。だからそういうものが、どんどん薄くなってきている。

関口 それは、新聞社の経営上の問題?

君和田 それもあると思うんですね。それと、もうひとつあるのは、関口さんといつも話している、やっぱり取材される側の締め付けっていうのが、昔と比べてはるかに厳しくなってる。

関口 それは、政治的な関係?

君和田 よくね、我々が新聞記者になって、よく言われるのが、塀の上を歩く覚悟っていう言葉がよく言われたんですよ。最近、読売の人が書いた「記者と権力」という本を買って読んだら、いきなりそれが書いてあるんですよ。それは、昔メディアがかなり許されて、いろんなことやっても許されてる時代に塀の外に落ちるか?中に落ちるか?そういう議論なんです。いま、そんな議論は成立しないんですよ。きっと。

関口 塀がないから(笑)。

君和田 もうね、塀に近寄ることすらできなくなってるんじゃないか。

関口 それは、なぜそうなりますか?

君和田 弱くなったんですね。メディアがね

関口 なぜ弱くなったんだろう?

君和田 なんで弱くなったんだろうっていうのは、そこはホントに、いろんないい方があるんだけど。ひとつはネットのメディアの力っていうのは、大きいですよね。初めは、お店やグルメ情報やら旅情報から始まったのが、今、どんどん情報のほうに入ってきてる。そのフェイクニュースっていうのは、結局そこにいっちゃうんだけど。それを良い方に使えないのか?っていう。ラジオからテレビが出てきたっていうね。これは技術の進歩ですから。それを本当は、なにかうまく使える方法があると思うんだけど。いまのところマイナスに出ている気がしてしょうがない。

田中 それは、本当に技術の進歩だけですから、それをどう使うかは人間の側の問題ですよね。もちろんネットは詐欺にも使えるわけだけれども、ビックデータを使って全世界のジャーナリストたちが集まって、パナマ文書であるとか、あぁいうようなことができるわけなんですよね。やろうと思えば。いままで、とても考えられなかったようなことだけれども、ジャーナリストが連携するっていうこと。ひとりのジャーナリストが自分が目立つためにやるんじゃなくて、連携して、ある方向に向かおうとしている、動きもあるわけですよ。たとえばスノーデンみたいな人が出てきていたりするんですよ。あぁいうホントに民主主義というものに、非常に真面目に向き合って、アメリカは民主主義国家じゃないって言って、それを告発するような人っているわけですよ。あぁいう人が出て来られるのは、その背後で他のジャーナリストたちが支えているわけです。そういうことを考えると、あぁいうものもインターネットを媒介して出てきてるから。やはり、道具ですから。ただの。インターネットは。

関口 はい。

田中 道具としてのインターネットを人類の良い方向にもっていくか?そうではないか?そこが分かれ目になっている。

関口 そこ、大きいです。

続く

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