記事応募にはログインが必要です

パスワードを忘れた方はこちら

ありがとう『サンデーモーニング』④

テレビ屋 関口 宏

 3月末の『サンデーモーニング』世代交代の日が近づいてきました。そこで今月も、番組の歴史、36年と半年を振り返っておきたいと思います。

 『サンデーモーニング』が始まった1987年は昭和62年。スマホ、携帯はまだありません。世界は東西冷戦下。「ソビエト」という大国が存在していました。

 それが2年後。「昭和」は「平成」に。そしてドイツ・ベルリンの壁が崩壊。「東ドイツ」に続き「ソビエト」もなくなりました。これは私ばかりではないでしょう。〈青天の霹靂〉という言葉でも言い足りないほどのショックを受けました。私が生きている間にあの「ソビエト」がなくなるなんて、想像すらできませんでした。


冷戦の構図:イメージ

 この「東西冷戦」は、第2次世界大戦後、世界を大きく二分して対立。「キューバ危機」(1962年)に象徴される「核戦争の危険性」を抱えつつ、世界は動いていました。
 その片方のリーダーがいなくなったのです。東西の対立は「社会主義」と「自由・資本主義」の対立でもありましたが、東側を標榜してきた「社会主義圏」の国々が次々姿を変えてゆきました。

「ルーマニア」ではチャウシェスク大統領が処刑されるという信じられないような出来事が起き、「ユーゴスラビア」は6つの国に分散しました。『サンデーモーニング』はこうした世界の変化を毎週お伝えするのに必死でした。

そして世界は、西側「自由・資本主義」が制したかに見えたのです。

 しかし20世紀から21世紀に進むミレニアム。新しい世紀は人類にとって希望に満ちた時代になるかと思われていた2001年9月11日。
 ニューヨークの貿易センタービル、ペンタゴン(アメリカ・国防総省)などに旅客機が突っ込む「アメリカ同時多発テロ」が起き、世界中を震撼させました。
「世界はそんな単純なものではない」と言われたような気がしました。

911同時多発テロ:イメージ

勿論『サンデーモーニング』はその後の中東情勢、そしてアメリカ・イギリス中心の有志連合の大失態「イラク戦争」に繋がる世界の混乱ぶりを伝え続けました。その都度、様々な方のご意見をいただきましたが、故人になられた浅井信雄氏、岸井成格氏、岡本行夫氏に、お世話になった日々が懐かしく思い出されます。


番組でお世話になった3人:左から ・故)浅井信雄氏 ・故)岸井成格氏 ・故)岡本行夫氏

 ではその間の日本国内はどうなっていたか。ここにも様々な見方があると思われますが、大雑把に振り返りますと、『サンデーモーニング』が始まって間もなく、「昭和」から「平成」に変わった頃から、「日本経済」は大激震に見舞われたのです。つまり「バブルの崩壊」。
 1989年には、¥40,000寸前にまで高騰した株価が大暴落。1990年には¥20,000を割り込む事態となったのです。つまり大げさな言い方になるかもしれませんが、日本の財産がほぼ半分失われたことになるのです。

   そしてその後の「失われた10年」、「20年」。さらには「失われた30年」という人もいて、日本から活気が失われ、様々な面で国力低下が心配されている現在です。
(最近、また株価の上昇が話題になっていますが、このコラムをお読みいただく時点で、どうなっているかは分かりません。悪しからず。)

 でも本当に難しい時代になったと思っています。 経済の面から見ても、「サプライチェーン」と呼ばれるネットワークが、世界中複雑に絡み合って、自国だけでは解決できない問題が益々増えているように思います。どこかで問題が起きれば、世界中に影響を及ぼす時代になったと言えるでしょう。

 また「東・西」「左・右」のようなイデオロギー的括り方では世界を理解することができなくなりました。そこに「上・下」「貧・富」「多・少」「老・若」等々の価値観も含めて考えなくてはならない時代なのです。つまり、複雑化がより複雑化して、いつ、どこで、どんな紛争が起ころうとも不思議ではない「危険な時代」になった気がしています。


      テレビ屋  関口 宏

コメント投稿にはログインが必要です

パスワードを忘れた方はこちら

こちらのコメントを通報しますか?

通報しました