記事応募にはログインが必要です

パスワードを忘れた方はこちら

便利だろうけど

テレビ屋 関口 宏

 「目覚まし時計」が壊れました。正確に言うなら扱い不能になったのです。  これまで使っていたのは「電波時計」なのですが、セッティングした時間でもないのに、チリチリッ、チリチリッと鳴ったり、時間が少し進み加減になったので電波受信ボタンを押してみるものの、なかなか正確な時間に合わせられません。壊れたのかどうかは分かりませんが、私にはどうにもならないと判断。新しいものに取り替えることにしました。

 そもそもこの目覚まし時計。5年ほど前に事務所の若い人に頼んで購入してもらった物。
 「数字で直接示すデジタル式の方がいいのでは?便利ですよ」と言われたのですが、アナログ派高齢者には、「文字盤の数字の上を、長・短の針が回る、昔ながらの時計の方が良い」と言って手に入れました。ところがメカニズムはデジタルの「電波時計」だったのです。
 だからなのかどうなのか、目覚まし時間を設定する「つまみ」はあるものの、時間の針を調節する「つまみ」はありません。説明書と悪戦苦闘しながら、「電波」なるものに任せてみて、最初はどうにかなったのですが、すっきりしない気持ちのまま使い続けていました。

 そして今回は、「時間調節は機械任せでなく、自分で設定できる物にしてほしい」と頼んで、昔ながらの「アナログ目覚まし」が届きました。
 「まだこうした物が作られているんだ」とホッして、「つまみ」を回し自ら時刻を合わせました。やっぱり私にはこの方が安心できて、今の所、順調に眠れています。

 こうした「便利だろうけど、馴染めない事」が、最近多くなって来たように思います。代表例はやはり「スマホ」でしょう。


 若い人達と食事するとき、必ず誰かがスマホをいじっています。時には全員がスマホ中ということも稀ではありません。じゃあ、「何のために集まってるのか」と、言いたくなることしばしば。
 それが最近では若い人ばかりでなく、おっさん連中にまで広がって来ました。しかもおっさん連中は、ブツブツ訳の分からぬ独り言を言いながらスマホをいじります。  「えっ?」「あれっ!」「いや」「あー」「そうか」・・・・
 「うるさいね!黙ってやれないのかね。便利なのは分かるが、折角の場が白けてるよ!」と、一人イライラしてしまいます。

 と言う私もスマホを持っています。が、電話機能以外はほとんど使いません。と言うよりも、ほとんど使いこなせないと言った方が正しいと思います。そこに、ややコンプレックスを抱いていて、だから私の前でスマホをやられるとイラつくのかもしれません。

 しかし私が昔ながらの「目覚まし時計」にホッとしたように、未だにガラケーの携帯電話が売られていると聞き、嬉しくなりました。「ほら、何でもかんでも新しい物がいいわけじゃないんだ!」と言いたくなりましたが、言う相手はいません。

 そのほかにもキャッシュレスの買い物、タクシーのスマホ予約、AIアナウンサー、デジタル読書等々、「便利だろうけど、馴染めない事」が増えています。

考えてみれば、「マイ・ナンバー・カード」迷走の原因は色々あるのですが、こんな事も影響しているのかもしれません。



 テレビ屋  関口 宏

コメント投稿にはログインが必要です

パスワードを忘れた方はこちら

こちらのコメントを通報しますか?

通報しました