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STAY HOME

テレビ屋 関口 宏

 「あぁ 仲間と会って一杯やりたい!」と大声で叫んでみたくもなる日々、この新型コロナウィルス(COVID-19)はいつ治まってくれるのでしょうか。本を読んだりテレビを見たり、部屋の整理をしてみるのにも限界があります。ここまで「自由」に生きて来たつもりの私にとって、この閉じこもり生活の苦痛を、この歳で味わおうとは思ってもみませんでした。

 しかしこの新型コロナウィルスは様々な事を我々に投げかけています。ペスト、コレラ、エボラ出血熱、天然痘、インフルエンザ等々、これまで歴史は感染症との戦いの繰り返しでもありましたし、その都度人間はそれに対処し乗り越えて来たのかもしれませんが、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」で、いざと言う時のシステム作りはまだまだだったという事でしょうか。世界最強と言われるCDC(アメリカ疾病管理予防センター)を有するアメリカですら多くの犠牲者が出てしまいました。日本でも国、自治体、保健所、病院のネットワークの脆さが露呈しました。平常時には人員や予算を削られがちな感染症対策。この際、緊急時に直ちに機能する強力な世界的ネットワークを作るべきではないでしょうか。

 さらに、満潮時には見えなかった海中の岩塊が、引き潮によって現れる現象のように、コロナは様々なものを見せつけています。



 近年、当たり前のよう認識されて来たグローバリズム。国境を越えたネット情報、金融経済、物作りのサプライチェーンも、インバウンド頼りの観光行政も、グローバリズムという価値観の上に成り立ち、またそれなりの恩恵にも浴して来ました。ところが今回、そのグローバリズムの動きに乗って世界中に拡散してしまったのが新型コロナウィルスだったという皮肉。しかしこれでグローバリズムの流れが止められるわけはありません。今後もグローバリズムは一層複雑化しながら進んで行くのでしょう。

 でもこの機会に、その本質を再点検してみてはいかがでしょうか。昔から「あらゆる物事には、可能性と制約が秘められている」と言われて来ました。しかし私たちはつい可能性を強く追い求め、制約をしっかり見ようとしない傾きを抱えていて、後でしまった!という事を繰り返して来ました。その顕著な例がチェルノブイリ、福島の原発事故だったと思われます。可能性ばかりに気をとられ、もしもの時の対策、つまり制約にしっかり目が向いていなかったということになります。今こそグローバリズム本来の理念、そして実現してみて分かった弊害を点検すべきではないでしょうか。

 さらに引き潮には平常時見えなかった人間関係の脆さ、難しさも露わにしました。外出自粛の中、一日中共に過ごす家族。それは幸せな一家の理想のはずですが、それがかえってDV(家庭内暴力)の引き金になってしまった例が世界中から報告されています。「亭主元気で留守がいい」が笑い話にならない家族も多く、実は深刻な問題を水面下で抱えているのかもしれません。

 それにしましても今回の新型コロナによる災禍は、世界中が同じ障害、同じ苦しみ、同じ痛みを味わう稀有な体験をしているのですから、何とか良き方向にその経験を生かせないものかと思います。さらに言えば、世界中が力を合わせて世界を大きく変える文明の転換点にする絶好の機会なのかもしれません。

 昔から国際間の戦争、紛争、摩擦等が起こる度、「なぜ人間は一つになれないのか」という問いが発せられて来ました。そんな時に出る話の一つが「宇宙人が攻めて来たら、世界中が一気にまとまるはずなんだけどね」。

 今回のコロナウィルスは、宇宙人襲来と似たような現象なのですが・・・・

      テレビ屋  関口 宏

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