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  • 君和田 正夫 塾長

    せっかく、新聞、テレビの世界を経験したのですから、遺言代わりに、いろいろなことを書き、口はばったい言い方ですが、少しでも恩返しができたらいい、というのが本音です。1941年(昭和16年)生まれ。早稲田大学卒。 1964年、朝日新聞社入社、経済部記者などを経て2005年(平成17年)テレビ朝日に。 退任後「独立メディア塾」の共同代表。

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新総裁の最優先課題は

君和田 正夫

2021.10.01

 自民党の新総裁、岸田文雄氏はとんでもない舞台に立たされることになりそうです。舞台の袖から岸田さんをじっと見つめる8つの目があります。安倍晋三元首相、麻生太郎元首相の長老二人組。反対側の袖にはもう一人の長老二階俊博前幹事長。2階の正面席には河野太郎氏を推した菅義偉前首相。新総理はこれらの人の視線を意識せざるを得ないでしょう。
 岸田さんに求められるのは公約で掲げた「成長と分配の好循環」であり、「中間層の復活」の実行です。拡大した格差の是正です。財源、予算配分の優先順位など予算編成全般に関わってくる、大きな政策変更ですから、アベノミクスの修正は避けて通れなくなります。アメリカで始まった「新自由主義の転換」ということもできます。新自由主義は規制緩和によって民営化を進め、自由競争を推奨してきました。
 日本では中曾根康弘内閣の時代に日本電信電話公社(NTT)、日本国有鉄道(JR)、日本専売公社(JT)が民営化されました。2005年の郵政民営化で小泉首相(当時)が民営化に反対する敵対候補に「刺客」を送り込んで圧勝したのは「新自由主義」の成果だったのです。

 格差がコロナで表面化

 規制緩和や民営化だけでなく、企業活動を支援するため法人税も引き下げられ、同時に消費税が導入されました。法人税の税収減を消費税で穴埋めした、とも言えます。こうした政策が富めるものをますます富ませ、格差を拡大させました。
 アベノミクスの働き方改革は女性、外国人そして高齢者が自由に働ける場を提供するように見えました。しかし実際は非正規社員を増やすことによって企業に安い労働力と人件費削減の安全弁を提供したのです。中間層はますます衰弱する結果になりました。普段は国民に見えにくかったこうした格差がコロナ禍によって一挙に表面化しました。
 今、最優先すべき政策はなにか。元外務審議官で日本総合研究所国際戦略研究所理事長の田中均氏の発言を引用します。(「政治プレミア」などから)
 「この10年主要国の中でも日本の衰退は最も激しく、長期自民党政権は有効な手立てを打ってこなかった。GDP(国内総生産)は10年前には中国の83%、米国の40%だったものが、今日には各々32%、23%。人口は2百万人以上減少した」
 「勇ましく台湾有事だとか敵地攻撃能力を言う前に国力を上げることが先決だ」

 総裁選の候補者は自民党を変える、国を変える、と声高に主張したので少しは期待しましたが、期待外れに終わりました。このままでは党を変えることすらできないでしょう。

 影におびえた候補者たち

 期待外れの原因は、全員、キングメーカーの影におびえてしまったからです。河野太郎さんはなぜおびえたのでしょう。河野さんは国民の声を聞くといっていましたが、ツイッターでブロックするなんて意外に臆病なのかもしれません。悪口を聞けない政治家なら、安倍さんと変わりません。また河野さんの側に小泉進次郎さんが、寄り添うようにしていたのは「次は俺だ」と言っているようで見苦しい情景でした。河野さん、他人の力など借りずに突っ張りましょう。
 女性候補が二人立候補したことは日本の政治も少しは変わるかなと期待させる力がありましたが、残念なことはお二人ともキングメーカーのお墨付きを得ての立候補だったことです。
 もう一つがっかりした点。高市さんを除いて世襲候補だったことです。世襲の方々に英国のサッチャー元首相の言葉を贈ります。
 自分の体には「血液の中にまで政治が入っていた」。サッチャー元首相は英国の平凡な家庭で「グランサムの食料品店の娘」として生まれ育ちました。大人になってからは、弁護士業と双子の子供の相手をする母親業をこなしながら政治家を目指したのです。世襲のみなさんの血液には、何が入っているのでしょう。

(2021.10.01)

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