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新年ですが・・・・

テレビ屋 関口 宏

 2023年。「明けましておめでとうございます」と御挨拶するべきところですが、今年はどこか、目出度さに欠ける年明けになってしまった感じがしています。
 未だ止まらぬウクライナの戦争、そして3年経って4年目に入るのに終息しない新型コロナ。その他にも気がかりな問題を沢山抱えながらの年越しは、私の長い人生の中でも珍しいことのように感じます。

 では戦争、コロナ以外のその他の問題とは何なのか。日本の経済関係だけでも、「円安」「物価高」「低賃金」「格差」・・・・・そして膨らみ続ける「国家予算」「防衛費」「国の借金」等々、果たして正常な国家運営ができるのか不安が募ります。

 外に目を向ければ「米・中」「中・台」「ロシア・NATO」「北朝鮮」「イラン」等々の危険を孕む国際問題。また人権問題のクルド、ウイグル、ロヒンギャ等々。紛争地はアフリカ、中東に点在していて、何時、何処で、何が起こっても不思議ではない状況の中に私たちは生きています。


 そうした混沌状況の世界の中で、我が日本の「国力」の低下を心配する声が広まってきました。先ほど述べた「経済」を見ても、アメリカに次ぐ経済大国と言われた時代は終わり、日本の得意とした分野がどんどん狭まっているようです。

 かつて、「Japan as No1」という本が世界のベストセラーになった時代がありました。
1970年〜80年代の頃で、自動車、家電を筆頭に、日本製品が世界に売れまくった時代です。1945年の敗戦の廃墟の中から立ち上がった日本人が、力を合わせて復興に取り組んだ結果、世界から注目される存在になったのです。

 今考えれば、あの頃の我々日本人は得意の絶頂期にあったのでしょう。「やれ行けそれ行け」と、止どまるところを知らず、突っ走り続けました。そして「ハワイを丸ごと買える」とか「マンハッタン、いやニューヨークが買える」という話が出るくらい鼻高々、そして傲慢になって行ったように思われます。

 それはやがて「バブル崩壊」(1991〜93年)という悲惨な現象に見舞われます。企業の倒産・廃業が相次ぎ、銀行・証券会社も行き詰まりから吸収合併を余儀なくされました。
「失われた10年」と言われて日本経済は活気を失いました。そしてそれは10年にとどまらず、「失われた20年」「30年」となり今日に至っています。

 そうした中で考え出された苦肉の策とも言われる「手」が、「アベノミクス」だったのでしょうが、それも何やら危険信号が点り始めたようです。

 「日本の国力低下」を危ぶむ声は、経済の話ばかりではありません。技術力を競う世界大会でも、以前はベスト3に必ず入っていた日本が入っていないとか、学術的論文を競う世界的なコンペの場からも、日本が後退していると聞きます。

 他にも、「国の民主度」「女性の公平度」などでも、日本は先進国の上位には入れていないそうです。

 そこで、ややPRになってしまうかもしれませんが、1月8日の「サンデー・モーニング」では、「落ちるニッポン 再生の道は・・・・」と題して特集を用意しています。
スタート時間がいつもより30分早い7時30分になりますが、よろしければご覧ください。


サンデーモーニング新春スペシャル
2023年1月8日放送 7時30分から

 それにしましても、「国」の在り様を考える時の大事な根本は、そこで「生きる」ということです。その「生きる」ためには、そこに住む全ての人が食べられるだけの「食料」、さらに「水」、」そして「エネルギー」を、「自前」で確保できているかが基本です。
 その上で、「国力」を誇る国、ニッポンであってほしいと願っています。


 テレビ屋  関口 宏

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