『この先どうなる!?』
テレビ屋 関口 宏
これまでお伝えした通り、私は3月31日をもって、36年と6ヶ月お預かりしてきたTBS『サンデーモーニング』を、世代交代いたしました。改めて、長年支え続けて下さった皆様に感謝申し上げる次第です。
そして5年ほど前から続いているBS-TBS(土曜日・昼・12時)の歴史番組を続けながら、その仲間たちと新企画を考えています。
今起こっている様々な問題、例えば、AI(人工知能)がどこまで進化するのか、食料問題は大丈夫なのか、温暖化は止められるのか等々、「この先どうなる」のか気になっている問題を、専門家を交えて突き詰めてみようという企画です。果たして上手く軌道に乗るか、今、喧々囂々、侃侃諤諤の会議を続けています。
一方の歴史番組はこの4月から、「江戸時代」に入りました。
この番組は2019年の秋に、「もう一度!近現代史」と銘打ってスタートしました。大政奉還から明治維新、そして日清・日露を経て軍事大国化した日本が、昭和になってボロボロになっていった経緯を、作家の保阪正康氏とともに2年半かけて、サンフランシスコ平和条約、そして日本の独立までを振り返りました。学校では教えられなかった歴史を、保阪正康氏に語っていただき、喜ばれた視聴者も多かったようです。
さてその後はどうしたものか。議論百出する中、思い切って「古代」まで戻ろうということになりました。歴史・文化の幅広い編集工学を手がけられている松岡正剛氏と歴史家で明治大学名誉教授の吉村武彦氏にお願いして「一番新しい古代史」と銘打って番組を続けました。とにかく歴史というものは、次々発見される物や資料によって見方、考え方が変わってしまうものです。「三内丸山遺跡」から発見されたものからは、縄文時代とはいえ、相当高度な文化があったことになりましたし、私たちが学校で習った「仁徳天皇陵」は、今では違う見方、考え方になって、今学校では「大山古墳」と教えているそうです。しかしまだまだ謎だらけの古代。卑弥呼はどこにいたのか。邪馬台国はどこに存在したのか。謎が謎を呼ぶ古代史を楽しみながら半年ほど続けました。
そして「一番新しい中世史」に入りました 歴史家の加来耕三氏と評論家の大宅映子氏との不思議な取り合わせもなかなかでした。
中世とは、いつからのことなのか。専門的にはいろいろな考え方あるそうですが、当番組では誰にも分かりやすく、「平安遷都」(794年・第50代桓武天皇)からとして番組を進めました。まだ絶対的権力が存在しなかったこの時代。日本各地で続いていた争いごとが、ついに「応仁の乱」に始まる戦(いくさ)の時代。親・兄弟であろうと殺し合いが続く「戦国時代」に突入。信長・秀吉・家康が登場して来ることになりました。
「殺し合い殺し合いの果てに、一体何を得たのか」との大宅映子氏のご感想が響いた「戦国時代」も、1年半ほど放送は続きました。
そしてこの4月からは、「一番新しい江戸時代」として、江戸文学・文化研究者、田中優子氏と、造園家・ランドスケープアーキテクトの涌井雅之氏と、戦争なき日本の260年を辿ってみようと番組がスタートしました。
こうして、通史(時系列に史実を並べてみる)という形で日本史を見てまいりますと、新たな歴史観のようなものが感じられる気がします。
例えば日本中が、戦、戦の毎日から、江戸時代には260年、ピタッと戦をやめた日本人。しかし大政奉還・明治維新から昭和20年までは、また戦、戦、戦の日々。そしてそれ以降79年の今日まで、またピタッと戦をやめた日本人。
そんな歴史再認識にも、日本人の何たるかを考えさせられる機会になっています。
さてこの4月21日スタートの新番組『この先どうなる』も収録に入ります。どうぞ毎週日曜日・お昼12時のBS-TBSもよろしくお願いいたします。
テレビ屋 関口 宏
そして5年ほど前から続いているBS-TBS(土曜日・昼・12時)の歴史番組を続けながら、その仲間たちと新企画を考えています。
今起こっている様々な問題、例えば、AI(人工知能)がどこまで進化するのか、食料問題は大丈夫なのか、温暖化は止められるのか等々、「この先どうなる」のか気になっている問題を、専門家を交えて突き詰めてみようという企画です。果たして上手く軌道に乗るか、今、喧々囂々、侃侃諤諤の会議を続けています。
一方の歴史番組はこの4月から、「江戸時代」に入りました。
この番組は2019年の秋に、「もう一度!近現代史」と銘打ってスタートしました。大政奉還から明治維新、そして日清・日露を経て軍事大国化した日本が、昭和になってボロボロになっていった経緯を、作家の保阪正康氏とともに2年半かけて、サンフランシスコ平和条約、そして日本の独立までを振り返りました。学校では教えられなかった歴史を、保阪正康氏に語っていただき、喜ばれた視聴者も多かったようです。
さてその後はどうしたものか。議論百出する中、思い切って「古代」まで戻ろうということになりました。歴史・文化の幅広い編集工学を手がけられている松岡正剛氏と歴史家で明治大学名誉教授の吉村武彦氏にお願いして「一番新しい古代史」と銘打って番組を続けました。とにかく歴史というものは、次々発見される物や資料によって見方、考え方が変わってしまうものです。「三内丸山遺跡」から発見されたものからは、縄文時代とはいえ、相当高度な文化があったことになりましたし、私たちが学校で習った「仁徳天皇陵」は、今では違う見方、考え方になって、今学校では「大山古墳」と教えているそうです。しかしまだまだ謎だらけの古代。卑弥呼はどこにいたのか。邪馬台国はどこに存在したのか。謎が謎を呼ぶ古代史を楽しみながら半年ほど続けました。
そして「一番新しい中世史」に入りました 歴史家の加来耕三氏と評論家の大宅映子氏との不思議な取り合わせもなかなかでした。
中世とは、いつからのことなのか。専門的にはいろいろな考え方あるそうですが、当番組では誰にも分かりやすく、「平安遷都」(794年・第50代桓武天皇)からとして番組を進めました。まだ絶対的権力が存在しなかったこの時代。日本各地で続いていた争いごとが、ついに「応仁の乱」に始まる戦(いくさ)の時代。親・兄弟であろうと殺し合いが続く「戦国時代」に突入。信長・秀吉・家康が登場して来ることになりました。
「殺し合い殺し合いの果てに、一体何を得たのか」との大宅映子氏のご感想が響いた「戦国時代」も、1年半ほど放送は続きました。
そしてこの4月からは、「一番新しい江戸時代」として、江戸文学・文化研究者、田中優子氏と、造園家・ランドスケープアーキテクトの涌井雅之氏と、戦争なき日本の260年を辿ってみようと番組がスタートしました。
例えば日本中が、戦、戦の毎日から、江戸時代には260年、ピタッと戦をやめた日本人。しかし大政奉還・明治維新から昭和20年までは、また戦、戦、戦の日々。そしてそれ以降79年の今日まで、またピタッと戦をやめた日本人。
そんな歴史再認識にも、日本人の何たるかを考えさせられる機会になっています。
さてこの4月21日スタートの新番組『この先どうなる』も収録に入ります。どうぞ毎週日曜日・お昼12時のBS-TBSもよろしくお願いいたします。
関口宏のこの先どうなる!?4月21日スタート 毎週日曜昼12時~。
テレビ屋 関口 宏