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『 成長の糧(かて) 』

テレビ屋 関口 宏

 よく考えてみれば当たり前のようでいて、実はよく分からない話というものがあります。新しい時代の寵児とも言うべき「AI・人工知能」に関する事で、「AI」が成長する、進化するとは聞きますが、どうやって「AI」が成長・進化するのか。データの蓄積によるものらしいと考えるあたりが素人の限界であって、その先はまったく見当もつきません。そんな時、その道を究めんとする若い人から、「それは¨言葉¨なのです」と教えられて「・・・・・!」(きょとん!)としてしまいました。
それはBS-TBS「この先どうなる」の10月6日に放送した(自動車の完全自動化)でお会いした山本一成氏が話されたことで、山本氏は自動車の完全自動運転の実現を目指して企業を立ち上げ、2030年には何とかしたいと頑張っています。
その過程において、「AI」をどう扱うかが成功の鍵になっているようで、その辺りの話を色々伺いました。が、素人の私には限界があります。残念ながらすべてを理解できたわけではありませんが、「AI」は¨言葉¨によって成長・進化するという指摘に、不思議な感覚を覚えました。
 考えてみれば、私達自身がそうだったのです。母親のお腹から出て、この世に生を受けて先ずは必死に言葉を覚えました。そしてその後も親・兄弟・友人は勿論、学校でも先生の言葉を聞きながら学び、本からも新聞からも言葉を学びつつ物事を知り、そうした生き方を80歳を超えた今でも続けているのです。つまり言葉なくして私たちの成長はなかっただろうし、ほとんど私達の行動は、言葉をイメージしながら生きていると言っても過言ではないでしょう。
 となれば「AI」とは一体何なのでしょうか。人間には個人的な「死」があれど、「AI」はこの先も永遠に成長・進化し続けて行くことは間違いありません。知識・データにおいては人間をはるかに超えて行く存在になる、これを「シンギュラリティ」と呼び、2045年には現実化すると言われています。
では人間はどうすればいいのか。山本氏は「頭の良さでは人間の方がはるかに優れている」と仰っていました。でもだからといって安心はしていられないのでは、と落ち着かない時代になりつつあるような気がしてしまうのは歳のせいなのでしょうか。

      テレビ屋   関口 宏


毎週日曜日昼12時~ BS-TBS

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