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「この世で最も悲惨で心を打たれる岩塊」

 独立メディア塾 編集部

 スイス・ルツェレンの「瀕死のライオン像」を見て、マーク・トウェイン(1835年11月30日~1910年4月21日)は無抵抗のままマリー・アントワネットらを守ろうとしたスイス人傭兵に対して表題のような感想を漏らした。碑文には「ヘルヴェティア人の忠誠心と勇気に寄せて」とある。
 ヘルヴェティアはアルプス山脈とジュラ山脈に囲まれた地域のローマ名である。ほぼ現代のスイス西部に該当する。

 契約を死守した786人

 フランス革命の1792年8月10日、パリで民衆と軍隊がテュイルリー宮殿を襲撃してルイ16世やマリー・アントワネットら国王一家を捕らえた。宮殿を守っていたスイスの傭兵786人は、ルイ16世らを守って600人が戦死、残った兵も捉えられ処刑された。傭兵は最後まで契約を守り、逃げ出さずに任務を遂行した。民衆に罵倒されても盾や剣を一切動かさず、無抵抗のまま殺された。テュイルリー宮殿襲撃ともいう。
 デンマークの彫刻家トルバリセンがスイス兵の英雄的な行為を称えて1821年に慰霊碑として制作した。スイス国旗に倒れ込むライオンには槍が突き刺ささっており、小山の斜面に露出した砂岩に彫り込まれている。

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