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「素晴らしい季節」

 独立メディア塾 編集部

「朝からなにもたべてない 身を落とした 無表情な
 全く寄るべのない 一銭も持っていない
 16歳の少女が
 じっと立っている
 コンコルド広場で
 8月15日の正午のこと。」

 フランスの詩人、脚本家ジャック・プレヴェール(1900年2月4日~ 1977年4月11日)の詩。最初の詩集「パロール(ことば)」抄(北川 冬彦訳)から。

 映画にシャンソンに大活躍

 プレヴェールは日本では最初、映画作家として知られた。マルセル・カルネ監督の1938年製作「霧の波止場」(原作ピエール・マッコルラン、出演ジャン・ギャバン、ミシェル・モルガン)のシナリオを書いた。さらにカルネ監督、プレヴェールのコンビで製作した「天井桟敷の人々」(1945年製作、1952年日本公開)はベネチア国際映画祭で特別賞を受賞し、映画史上に残る名作の評価を得た。
 シナリオ作家としてだけでなく、第二次大戦後、プレヴェールが作詞したシャンソン「枯葉」はイヴ・モンタンの歌で世界で大ヒットした。
 「パロール抄」から別の詩を。

「恋人よ おまえのために」
わたしは 鳥の市へ出かけた
そして 鳥を買った
恋人よ おまえのために

わたしは 花の市へ出かけた
そして 花を買った
恋人よ 
おまえのために

わたしは 屑鉄の市へ出かけた
そして 鎖を買った 重い鎖の
恋人よ
おまえのために

それからわたしは 奴隷の市へ出かけた
そして おまえを探した
けれど恋人よ
わたしには おまえが見つからなかった

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