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「今日は死ぬのにもってこいの日だ」

 独立メディア塾 編集部

 ナンシー・ウッド(1936年6月20日~2013年3月12日)はアメリカの作家、詩人、写真家。「今日は死ぬのにもってこいの日」(金関寿夫訳)から。著者はニューメキシコ州のタオス・プエブロ・インディアンと30年以上の交流を持った。1598年にスペイン人がやってきてからタオスの土地は略奪された。来る季節、去る季節についてインディアンの古老から聞き書きしたことを詩の形に編集し、本にまとめた。原題は「MANY  WINTERS」。

 大地に根差したインディアンの哲学

 ナンシー・ウッドはインディアンの古老との交流を通じて、ネイティブ・アメリカンの大地に根ざした哲学に感銘を受けた。ニューメキシコ州サンタフェの郊外にあるタオスにはプエブロ族の居留地があり、イギリスの作家D・H・ロレンスが晩年を過ごした町として知られている。(役者あとがき)
 著者は「まえがき」で次のように書いている。
 「タオスは果たして生き残れるだろうか?彼らが信じるところの一説は、白人などほっといてもそのうちに自滅してしまうだろう、という説だ」「白人ならこういう楽天主義を盲信と呼ぶだろう。しかしタオスの人は、これを生き方と呼んでいる。そしてそれは、政府や利得よりも強いものだ、と彼らは信じている」

 以下は「今日は死ぬのにもってこいの日」の全文。

今日は死ぬのにもってこいの日だ。
生きているものすべてが、わたしと呼吸を合わせている。
すべての声が、わたしの中で合唱している。
すべての美が、わたしの目の中で休もうとしてやって来た。
あらゆる悪い考えは、わたしから立ち去っていった。
今日は死ぬのにもってこいの日だ。
わたしの土地は、わたしを静かに取り巻いている。
わたしの畑は、もう耕されることはない。
わたしの家は、笑い声に満ちている。
子どもたちは、うちに帰ってきた。
そう、今日は死ぬのにもってこいの日だ。

英語版
Today is a very good day to die.
Every living thing is in harmony with me.
Every voice sings a chorus within me.
All beauty has come to rest in my eyes.
All bad thoughts have departed from me.
Today is a very good day to die.
My land is peaceful around me.
My fields have been turned for the last time.
My house is filled with laughter.
My children have come home.
Yes, today is a very good day to die.

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