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「ロバと王様とわたし
あしたはみんな死ぬ
ロバは飢えで
王様は退屈で
わたしは恋で
時は5月」

 独立メディア塾 編集部

 フランスの詩人、映画作家、童話作家、ジャック・プレヴェール(1900年2月4日~1977年4月11日)の詩。「プレヴェール詩集」(小笠原豊樹訳)「五月の唄」から。

 映画「天井桟敷の人々」、シャンソン「枯葉」に

 プレヴェールは日本では最初、映画作家として知られた。マルセル・カルネ監督の1938年製作「霧の波止場」(原作ピエール・マッコルラン、出演ジャン・ギャバン、ミシェル・モルガン)のシナリオを書いた。さらにカルネ監督、プレヴェールのコンビで製作した「天井桟敷の人々」(1945年製作、1952年日本公開)はベネチア国際映画祭で特別賞を受賞し、映画史上に残る名作の評価を得た。
 シナリオ作家としてだけでなく、第二次大戦後、プレヴェールが作詞したシャンソン「枯葉」はイヴ・モンタンの歌で世界で大ヒットした。
 デビュー詩集「パロール」は1946年に出版され、日本では「『パロール』抄」(北川冬彦訳)として出版された。北川の「まえがき」によると、1959年の重版は454版という驚異的な数字になった。

 「惜しい時間」(『パロール』抄から)
 工場の門の前で
 労働者が不意に立ちどまる
 いいお天気なので上着を脱ぎ
 ふり向いて
 太陽を眺める
 真っ赤で まん丸の
 にぶく光る空でほおえん出る太陽を
 かれは親しげに
 ウインクして
 なあ 同志太陽
 こいつぁ まったくバカげてると思わんかね
 こんな結構な一日をぜんぶ
 雇主(あいつ)にくれっちもうってことがよ


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