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「尋ね人の時間です」

 独立メディア塾 編集部

 第二次世界大戦が終わってからの混乱期に行方不明になった人、消息が分からない人などを探すためにNHKが始めたラジオ番組。1946(昭和21)年7月1日から1962(昭和37)年3月31日まで。視聴者からの手紙をもとに個人の消息を探す個人情報の番組。番組名は「尋ね人」だったが、アナウンスされる「尋ね人の時間です」が定着した。

 消息判明は三分の一の「魔法の時間」

 戦争の混乱で人探しをする番組はいくつかあったが、結局「尋ね人」一つに集約された。井上ひさしは芝居「私は誰でしょう」で「魔法の時間」と呼んだ。
 「放送文化五十年史」によると、「尋ね人」は、立ち上がり3年間で依頼の件数は1万9515件。消息が判明したのは6797件、判明率は34.8%に達した。

 「尋ね人」に一本化されるまで他に2本の番組があった。

  • ・「復員だより」は1946(昭和21)年1月15日から1947(昭和22)年2月。外地からの引き揚げ船の入港予定、乗員名簿、残留同胞の情報などを扱った。
  • ・「引揚者の時間」は1947(昭和22)年7月から1957(昭和32)年3月。
    (データは「日本放送協会 放送五十年史」、NHKアーカイブスなどによる)
    •  戦後の最初の復員船は高砂丸で、メレヨン島から別府に1700人が帰国した。復員は軍人、民間人を合わせて500万人を超えたといわれている。
       放送時間については、たびたび移動していたとみられ、はっきりしないが、民間のラジオ放送開局後も聴取率は90%であったとされている。
       NHKアーカイブスの映像でも復員だよりと尋ね人の映像を見ることができる。「1763部隊11中隊におられたタナカさん、お名前は分かりませんが秋田県出身、タナカさん、またはタナカさんをご存知の方は日本放送協会の尋ね人の係へご連絡ください」。

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