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「上を向いて歩こう、は反安保の歌」

 独立メディア塾 編集部

 永六輔(1933年4月10日~2016年7月7日 )は放送作家、作詞家、随筆家。1961年7月、坂本九が歌って、国際的にヒットした「上を向いて歩こう」の作詞者。
 作曲は中村八大(1931年1月20日~1992年6月10日)。2人のコンビで「黒い花びら」「こんにちは赤ちゃん」「遠くへ行きたい」「明日があるさ」など1950年代末から1960年代にかけての数々のヒット曲を生んだ。

 

 泣き虫の歌、気恥ずかしい

 「『上を向いて歩こう』が歌われることに、作詞者の僕は正直いってとまどいを感じていました」と語るのは永六輔。2011年3月11日の大震災の後、訪問先の被災地で何回も歌われていた。「ある種の気恥ずかしさ」を感じたという。
 「この詞は、励ましの詞ではない。前年の1960年、60年安保で僕が感じた挫折を歌ったものです」「どちらかというと泣き虫の歌であって、その歌を歌って励まされた気分になるのはなにかの間違いじゃないかと思って」。(永六輔著「上を向いて歩こう 年を取ると面白い」から)。
 「上を向いて歩こう」が安保闘争に敗れて流す涙の歌だったとは。
 中村八大と組んで最初に作った歌が水原弘の「黒い花びら」。第1回レコード大賞を受賞した。
 「『黒い花びら』というのは60年安保闘争真っ盛りのときです。樺美智子さんが亡くなったときです」「機動隊、それに群がるたくさんの暴力団」。
 そのデモに参加していて「僕は挫折していました」。それが「遠くへ行きたい」につながったという。
 あの当時はどこかで安保闘争が影を落としていた。永はその後、長い間、作詞をやめていた。
 中村は早稲田大学に入学後結成したジャズバンドが人気バンドに成長した。しかしロカビリーの台頭などでジャズの人気にかげりがでたころから、映画音楽に取り組み、「黒い花びら」の大ヒットにつながった。

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