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「建築家になってみて、実はこの仕事に随分がっかりしました。もっと一般社会のために役立っていると思っていましたが、特権階級の方々のために仕事をすることが多い。立派な建築をつくり、目に見えない権力や財力を世間に知らしめるわけです。医者や弁護士と違い、お客さんがハッピーなときにお付き合いし、好きなものをつくらせてもらう恵まれた仕事でもあります」

 独立メディア塾 編集部

 建築家坂茂(1957年8月5日~)の朝日賞2014年度受賞式での挨拶から。

 「紙パイプやコンテナ使い仮設住宅」

 坂はマイノリティ、弱者の住宅問題に関心を寄せ、海外の難民キャンプのためのシェルターを開発・試作したり、震災地の避難住宅などの建設にも力を入れている。
 ウクライナからの難民が増えている中で、ポーランドのウクライナ難民受け入れ施設では、坂氏が考案した紙管を使った間仕切りシステムが導入されている。
 朝日新聞デジタルによると、2017年に日本人の受賞は初めてになる「マザー・テレサ社会正義賞」が決まったと、「ハーモニー財団」(インド)が発表した。
 1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)でも、紙のログハウス(仮設住宅)や教会の集会所を特殊加工された紙管で制作。トルコ、インドで起きた地震に際しても仮設住宅の建設を行った。東日本大震災では、体育館などの避難所ではプライバシーがまったく無くて苦しんでいる人々のために、紙パイプと布を使いプライバシーを確保する提案をするなど仮設住宅の建設、質の向上にかかわった。
 2014年に「建築界のノーベル賞」ともいわれるプリツカー賞を受賞、フランス芸術文化勲章コマンドゥールを受章している。

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