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「月光の下で会見」

 独立メディア塾 編集部

 1950年、朝日新聞は「伊藤律会見記」という捏造記事を掲載した。当時、伊藤を含む9人の共産党幹部が団体等規制令違反として全国に手配され、地下に潜っていた。9月27日付け夕刊と27日の朝刊で、朝日の神戸支局員がその伊藤律と宝塚の山中で会見したと報道。

 大阪の見出しは
 「深夜、宝塚山中で 月光の下 本社記者と会見」
朝日新聞の「社史 昭和戦後編」によると、
記者はタオルで目隠しされ、自動車に載せられ、2人の男に「両手はしっかりにぎられ」と映画もどきの描写があり、「約束の時間、3分が来た」とまた目隠しをして送られて帰ってきた。
 しかし9月30日には「全文取り消し、陳謝」の社告を出す羽目になった。その間、警察が記者を連れて現場検証までしている。
当時、共産党幹部の情報は未確認でも紙面化されることがあり、一部に「書き得」の雰囲気が出ていた。

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