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「天皇の写真 許さじ」

 独立メディア塾 編集部

 1945年9月28日、朝日新聞は昭和天皇が前日、アメリカ大使館にマッカーサー元帥(連合国軍最高司令官)を訪問した記事を掲載した。続いて29日には毎日、読売、朝日がこのときの写真を掲載した。これを見た内閣情報局は写真と、同時掲載した米人記者の天皇会見記が「皇室の尊厳を損ない、公安に害がある」として発禁処分を命じた。朝日新聞が抗議したところ、連合国軍総司令部(GHQ)は情報局にただちに処分の撤回を命じた。
 (「朝日新聞社史 昭和戦後編」、「畏るべき昭和天皇」松本健一著から)

 天皇は正装、元帥はシャツ姿

 1945(昭和20)年9月27日、昭和天皇が米国大使館のマッカーサー元帥を訪問。正装姿の天皇に対し、ラフなシャツ姿で出迎えた元帥、背の高いマッカーサーの隣で小柄な天皇が威儀を正す姿。写真が新聞に掲載されると、勝者と敗者の厳然たる立場の違いを突きつけるものとして、日本国民に衝撃を与えた。これまで「御真影」しか見てこなかった日本人にとって「一種異様な屈辱感にとらわれた」(「畏るべき昭和天皇」)。
 情報局は「不敬」として政府は当初掲載紙の発行禁止を命じたがGHQは新聞側の抗議を受けて、掲載禁止の撤回を指令した。
 松本は昭和天皇について「天皇はマッカーサーのまえに、軍人として地位が対等な元帥裕仁として立つこともできたが、そうはしなかった。占領軍の最高司令官のまえに、いわば政治的人間として、その一身を投げ出した」と書いている。

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