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「憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。―そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった」

 独立メディア塾 編集部

 フリーランスジャーナリストだった後藤健二(1967年9月22日~2015年1月30日、47歳)は「イスラム国」に拘束され、殺害された。生前の2010年9月7日に後藤が残したこのメッセージは多くの共感と感動を呼んだ。(10月28日に沢田教一、5月27日に橋田信介両氏の言葉)

「なにがあっても責任は私に」

 後藤健二はイスラム過激派に拘束され、過激派は身代金を要求した。2015年1月30日に過激派が後藤を殺害したとみられる動画がネット上で公開された。後藤は「非常に危険なので、何が起こっても、私はシリアの人たちを恨みません(略)責任は私自身にあります」とシリア北部で自らを撮影したメッセージを残していた。
 「目を閉じて、じっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら、終わり。それは祈りに近い。憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。―そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった」。
 このメッセージは、ジャーナリストが人質になると、必ず起きる「自己責任論」「自業自得論」を意識したものだ。批判を含めて様々な意見があることを承知の上で現地に入る後藤の、悲しいまでの誠実さが読み取れる。

 20世紀を代表する戦場カメラマン、ロバート・キャパ(1913年10月22日~1954年5月25日)は、ハンガリー生まれ。スペイン内戦、日中戦争、第二次世界大戦、第一次中東戦争、第一次インドシナ戦争の5つの戦争を取材した。
 キャパは1954年、第一次インドシナ戦争に従軍したとき「これはおそらく最後の面白い戦争さ」と言い残した。日本に滞在していたキャパは引き止める人たちに言った。「一晩考えたが、俺の血がベトナムに従軍するのを止められないんだよ」。
 取材中に地雷に抵触し死亡した。ロバート・キャパ賞が設けられている。(「ライカでグッドバイ」青木冨貴子著から)

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