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「女ごころに咎(とが)ありや」

 独立メディア塾 編集部

 大塚楠緒子(1875年=明治8年8月9日 ~ 1910年11月9日)は明治末期に活躍した歌人、作家。日露戦争に出征した夫を思う長詩「お百度詣で」が反戦歌、厭戦歌として批判された。上掲の歌はその一部。36歳で没。名前の読み方は「くすおこ」「なおこ」。夫は学者の大塚保治で夏目漱石と親しかった。才色兼備の楠緒子に夏目漱石が恋したといわれる。

 与謝野晶子が1904年(明治37年)、「君死にたまふことなかれ(旅順の攻囲軍にある弟宗七を嘆きて)」を「明星」に発表。反戦歌として話題を呼び、批判を浴びる中で、翌年、楠緒子も雑誌「太陽」に出征家族の心情を謳った長詩「お百度詣」を発表した。詩の一部が削られたこともあったが、「『君死に給ふことなかれ』と並んで、戦争のさ中においての人間らしい叫びとしてしばしば人の口にのぼった」(「日本文壇史」伊藤整著)
 漱石は明治43年、胃潰瘍で療養中に楠緒子の死を知る。11月15日、日記に次のように書き残した。
 「床の中で楠緒子さんの為に手向の句を作る。
  棺には菊拠げ入れよ有らん程
  有る程の菊拠げ入れよ棺の中」

  「お百度詣」
  ひとあし踏みて夫(つま)思ひ、
  ふたあし国を思へども、
  三足ふたゝび夫おもふ、
  女心に咎(とが)ありや。

  朝日に匂ふ日の本の
  国は世界に唯一つ。
  妻と呼ばれて契りてし、
  人も此世に唯ひとり。

  かくて御国と我夫と
  いづれ重しととはれれば
  たゞ答へずに泣かんのみ
  お百度まうであゝ咎ありや

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