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コロナの年の瀬

テレビ屋 関口 宏

 コロナ、コロナに明け暮れたこの一年。しかも秋から冬にかけての第三波と思われる感染者の急増に、「GoTo」も「オリンピック」も立ち往生しているように見えます。誰もが不安を抱えながら、「こうあるべき」を断言できない状況。それは日本に限らず、世界中の人々が極めて稀な、そして共通の出来事の中にいることになります。歴史はこれを大きく記憶して、未来の人類に伝えることになるでしょう。ではその渦中にいる一人として私は、「新型コロナウイルス」をどこまで理解したのか。医学に疎い私ではありますが、分かる限りの現状を並べてみることにしました。

 まず正式名は「COVID−19」。19は2019年を意味していますから、現象として現れたのは昨年のこと。発生地は中国らしいと言われていますが未だに確定されていないこと。新型コロナウィルスの「新型」とは、人類がこれまで経験したことがないという意味。ですから医療体制、治療薬、ワクチン等々、ほとんど未知なる世界への人類の挑戦になったこと。それゆえ世界中の名医と呼ばれる人たちですら、いまだに明確な方向性を示せない状況にあること。

 感染症としては、これまでにも「SARS」だ「MERS」だ「コレラ」だとさまざまなものが現れて、人類はその都度苦労を強いられてきて、今でも冬になると暴れ出す「インフルエンザ」もその一つであること。中でも第一次世界大戦中に発生した「スペイン風邪」は、世界中で4000万人から5000万人もの死者が出たほどの猛威を振るい、大戦終結の大きな要因になったこと。(ちなみに発生地はアメリカ。しかし大戦参加国は感染状況を軍事機密として公表せず、大戦に参加していなかったスペインが公表したことからスペイン風邪と呼ばれるようになってしまった気の毒な話もあること。)そのスペイン風邪が収束するまでに2年から3年かかったことを考えれば、医療技術や体制が100年ほど前とは大違いとはいえ、「新型コロナウイルス」もそう簡単にはおさまらないのではという気もしています。

 そして今回の新型コロナウイルスも人体に入り込んで増殖することが判明し、「うがい」「手洗い」「マスク」の励行が叫ばれ、「密閉・密集・密接」の「三密」を避けるように言われるようになったこと。それはつまり、人から人に感染することがはっきりしたことで、考えうる予防対策として、とりあえず考え出された手段であること。




 でも「マスク」に関しては、世界には未だに受け付けない人もいて、専門家の中にも「完全な予防策とは言えないが、しないよりはした方がマシ」という人もいること。そして「マスクは自分のためよりも他人のためにするものという意識を持つこと」とも言われていること。つまり誰でも、自分がコロナにかからないようにマスクをするという自己防衛本能が強いのですが、実はマスクには、自分のものを他人にうつさない効果の方が大きいというのです。確かに何の症状もないのにコロナに感染している場合もあるので、常に「自分もコロナを持っているかもしれない」と言い聞かせていなければならない厄介な感染症であること。

 そして11月末現在、おおよその計算で日本人の1000人に一人が感染。アメリカの約40人に一人と比べると、日本は相当感染率が低いことになります。この数字も今後の対応次第で変化する可能性もありますが、日本人の感染率の低さの原因としてはこれまで、人種の違い、周囲が海に囲まれていること、日本人の清潔感覚、さらにはBCG(結核用ワクチン)接種経験の差等々が言われているのですが、どれも噂の域を出ません。だから日本も、いつアメリカやヨーロッパのような感染爆発が起こってもおかしくはないこと。

 と、せいぜい私のコロナに関する知識はこんなものなのですが、この時代を経験したことによって強く感じたことがありました。
 それは人と人との距離感。コロナは人と人との関係を遠くしました。
 「密」を避けるため不要不急の外出を控え、普段仕事などで意気投合していた人間関係まで遠くなりました。そこで感じたものとは何だったのか。人それぞれかもしれませんが私には、「淋しさ」「味気なさ」でした。皮肉な話、コロナが人と人とを遠ざければ遠ざけるほど、人間関係の大切さを知ることになった気がするのです。人には恋愛感情とは別の「人恋しさ」が、本能のように埋め込まれているのでしょうか。

 ワクチンがそろそろ出来そうだというニュースが流れ始めました。それはそれで大歓迎です。でも、これさえあれば大丈夫というような完璧なものではないとも言われています。私はインフルエンザのワクチンを毎年接種しながら、一昨年B型にやられました。ワクチンとはそういうものなのだそうです。それでもワクチンができることにより、アクセルとブレーキと言われる経済活動とコロナ沈静化の「真逆的矛盾」の、解決の糸口になればと願う年の瀬です。

 テレビ屋  関口 宏

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