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特集コラム 塾長室
塾長
君和田 正夫塾長室
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ジャーナリストより強力な「無職」へ
3月号で「塾長室」を欠席したら、「病気なのか」「やめたのか」と、問い合わせをいただきました。 ご心配をおかけしました。両方とも当たっています。病気・年齢と同時進行するように仕...
2023.03.31
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馬糞とスズメとマッシュルーム
「馬糞と経済」がネットで話題になっていた。「馬とスズメの幻想」と題した朝日新聞の「天声人語」だ。(2022年11月6日=末尾に全文)。久しぶりに歯切れのいい文章だったが、「今ごろ、分...
2023.02.01
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漱石と「送籍」、奇妙な「才一」
「戦争論を唱えた新聞記者だけには是非とも一隊を組ませ、どこの戦闘にも前衛としてそれを使ふことにしたいものだ。」「欧州出兵論もまことに結構だが、どうかそんな場合には黒岩涙香君の...
2023.01.01
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経済学はなぜ誤るのか
オーストリアの経済学者ハイエクは長い間「経済学はなぜ誤るのか」と問いつづけてきた。 今年のノーベル経済学賞は米国の元米連邦準備制度理事会(FRB)議長のベン・バーナンキ氏ら3人...
2022.11.01
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女王の時代に国は栄える
「何世紀もの間、この国は正直に働いて金を得ていない」。 1960年代、英国労働党の大臣は自国について驚くべき言葉を吐いた。イギリス人は怠け者で、これ以上働くことを拒否する。そ...
2022.10.03
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「幸福の売り場」はどこに
「幸福はお金では買えないと言った人々は、どこで買えばいいか知らなかったのだ」。 すさまじい破壊力とユーモアに満ち満ちた警句だ。米国の女性文筆家で美術品の収集家でもあり、米国...
2022.09.01
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生者は死者に煩(わずら)わされてはいけない
洋画の巨匠、梅原龍三郎は遺言状に「生者は死者の為に煩(わずら)わさるべからず」と書いた。自分の死後に残されるであろう生者、愛する夫人を気遣っての文言だ。本人は97歳まで生き、夫...
2022.08.01
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80歳、酸欠日記⑦
ソクラテスはどちらか 是か非か 特ダネ記者にも名文記者にもなれなかったのに、原稿は厳しいデスクに鍛えられた。戦争が終わって間もない1947年10月11日、ヤミ米を取り締まる立場の人...
2022.07.20
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80歳、酸欠日記④
日本はインフレ?デフレ?それともバクチ? 5、6月のウクライナ報道は解説・評論が防衛研究所のスタッフに占められ、使いまわし状態になっていることが問題になった。しかし専門家頼み...
2022.07.11
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80歳、酸欠日記⑤
見逃した6時間12分 「ゆきゆきて、神軍」(1987年)で国際的に著名な原一男監督が昨年、公害病の代表、水俣病のドキュメンタリー映画「水俣曼荼羅」を公開した。6時間12分。 ぜひ...
2022.07.11
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80歳、酸欠日記⑥
街頭ピアノ、音楽番組の楽しさ BSの強みが出るのは音楽かもしれない。海外、国内で「駅ピアノ」とか「空港ピアノ」とか「街角ピアノ」とかいって、街中にピアノを置いて自由に弾かせるN...
2022.07.11
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80歳、酸欠日記①
出井氏と最後の面会 死が見えた時、意外に冷静だった。妻の顔と名前が頭のなかを走り廻った。臨終、危篤、遺言、別れ、詫び、いろいろな言葉が最後の面会をしておけ、後悔するぞ!と叫...
2022.07.01
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80歳、酸欠日記②
階段を上って測り、下りて測り、一日何回 1月31日にコロナ陽性と判定され、入院することになった。私はタバコの吸い過ぎによる「肺気腫」という病気を抱えている。コロナ感染は一番恐れ...
2022.07.01
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80歳、酸欠日記③
排泄が恥ずかしい 命の恩人ではないか、と思った看護師がいた。石渡陽紀君、30歳。ご臨終騒ぎがあった3月15日の担当だ。夜中、暑さに苦しんでいるときに起こされた。「37度7分あるよ。...
2022.07.01
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軽視される記者会見
記者会見を開くのか、開かないのか、開いて何を伝えるのか、何を伝えないのか。伝える相手はユーザーか、株主か、社員か、メディアか。記者会見は想像以上に重要な企業活動です。やり方次...
2022.03.01
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メディア救済策の日欧比較
驚くようなメディア救済策がヨーロッパから持たされています。一つは英国を中心に取材網を張りめぐらせている、われらが小林恭子さんからのものです。1927年、現在の名称「英国放送協会」...
2022.02.09
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戦後最大の「不可思議」
生活にかかわる数字の単位が格段に大きくなった気がします。「不可思議」というのは「億」や「兆」よりさらに大きい数字の単位ですが、まさに「不可思議だらけ」の様相です。財務相の諮問...
2022.01.01
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尺八が宇宙に響く日
もし、地球以外の生命体と巡り合ったら…そう考えるとゾクゾクしますね。 今から半世紀近く前の1977年8月20日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は太陽系惑星探査衛星「ボイジャーII」を打ち...
2021.12.01
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世襲、国民、メディア
また世襲の批判です。この欄で何度も取り上げてきた世襲政治。最近はメディアも話題にすることが減り、逆に持ち上げる空気さえ感じられます。それならば、総選挙の結果がどうであれ、世襲...
2021.11.01
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オンライン化できないメディア
ジャック・アタリ氏が書いた「メディアの未来」(林昌宏訳・プレジデント社)は500ページを超える大著です。フランスの経済学者であり思想家であり、フランス政府に影響力を持つ人物として...
2021.10.01
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新総裁の最優先課題は
自民党の新総裁、岸田文雄氏はとんでもない舞台に立たされることになりそうです。舞台の袖から岸田さんをじっと見つめる8つの目があります。安倍晋三元首相、麻生太郎元首相の長老二人組。...
2021.10.01
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「ポスト五輪」は小説次第?
経済の世界にも都市伝説があることを知りました。ある証券会社の資料によると、「渡辺淳一の小説が日本経済新聞に掲載されると、日経平均株価は上昇する」。えっ本当? 1984年、「化身...
2021.09.01
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五輪と中止論とナショナリズム
2020東京オリンピックとパラリンピックが終わったら、国を挙げてオリンピック・パラリンピック(以下「五輪」と表記します)の総括に取り組まなければなりません。 まずは、メディア自...
2021.09.01
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あなたが世論分断の主役だ
「私が最も心配したことは、世論が分断されたことだった」。菅首相が、東京五輪について米国テレビNBCのインタビューにそう答えました(7月24日、朝日、読売新聞朝刊)。本当だとすれば、...
2021.08.01
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「聖なる」大会の「俗なる」人々
東京五輪開幕まで一カ月を切ったというのに「安全・安心」な大会への道筋が見えてきません。 「五輪は別格だ」という別格路線に「安全標識」は立っておりません。抜け道表示ばかりが...
2021.07.01
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五輪は万国博覧会の「余興」
「オリンピックと日本スポーツ史」という本があります。1896年の第一回アテネ五輪から1948年のロンドン五輪までの記録です。日本体育協会が1952年に発行しました。 開催期間を見て驚...
2021.07.01
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「コロナに打ち勝つ」のは東京か北京か
日本は国際五輪委員会(IOC)の植民地にでもなったのだろうか、と思わせる発言がIOC首脳陣から連発されています。五輪開催の賛否に関係なく、日本政府の弱腰に批判が起きています。 5月...
2021.06.01
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スローガンは毒饅頭?(下)
言葉が国の将来にどれほど影響を及ぼしているか。「上」で半藤一利さんの「四文字七音」の言葉と、氾濫するカタカナ言葉を考えてみました。 次は「第三群」です。第二次世界大戦の戦争...
2021.04.30
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スローガンは毒饅頭?(上)
毎週土曜日の正午から放送される「関口宏のもう一度!近現代史」(BS-TBS)を楽しみに見ています。先日の番組で関口さんと組んで解説・説明役を担っている保阪正康さんが、亡くなった半藤...
2021.04.30
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メディアの鎖国はいつ解ける(上)
東北新社の外資規制違反は、遠い昔、1996年に起きた孫正義・ルパート・マードック両氏によるテレビ朝日株の買収事件を思い出させてくれました。あの時の株保有率は「21.4%」、今回は「20....
2021.04.01
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メディアの鎖国はいつ解ける(下)
放送法に決められた外資規制を守っていてもテレビ経営に参画することは難しい。そのことを、孫・マードック連合は証明したわけです。では外国投資家でなければ自由に経営参加できるか、と...
2021.04.01
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男は反省しない
森さんは女性を食うライオンでしょうか。元首相、東京五輪の組織委員会会長だった森喜朗さんのことです。 ギリシャ・ローマ時代、女性には公的な発言が許されませんでした。許された例...
2021.03.01
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安倍さんと縁を切ろう
菅首相の長男、正剛氏が総務省の役人を接待していた問題に対して、私たち国民はもっともっと怒らなければいけません。安倍時代から繰り返される政治の腐敗劇。飽き飽きしてきました。強烈...
2021.03.01
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日本人を病気にする?五輪中止
1964年の東京五輪について、日本の作家たちの文章が「東京オリンピック 文学者の見た世紀の祭典」に収められています。開会式について三島由紀夫はこう書きます。 「オリンピック反対論...
2021.02.01
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菅さん、「Go To 五輪」をあきらめましょう
コロナにおびえたまま新年を迎えました。ウイルスの変異種が急速に広がって、世界は入国の禁止合戦という新たな段階に入りました。菅首相が渋々決めた「Go Toトラベル」の一時停止程度の対...
2021.01.01
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たかが10億円
<本記事の写真について> 日本学術会議の新会員に6人が任命されなかった。その一人、加藤陽子氏は多くの著作がありファンが多い。ここに挙げた著作の内容は確かに政権には面白くない。それ...
2020.12.01
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朝日よ、記者の道を進もう
ケーブルテレビで米国映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を見ました。言論の自由が国家権力に打ち勝つという、メディアに関わる人間にとっては何度見ても「心地よい」映画です。トム・ハンク...
2020.11.01
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近代国家か藩主政治か分かれ道
菅新内閣で行政・規制改革の陣頭指揮を任されたのは河野太郎担当相です。先進国から落ちこぼれそうになっている日本。国際的に多くの分野でランクを落とし続けています。国際特許の出願件...
2020.10.01
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「安倍レガシー」は膨大な借金
長かった安倍政権が終わりを迎えました。滞空時間は最長の7年8カ月。辞任表明した8月28日の記者会見は巧妙な答えに終始しました。彼が目指した「レガシー」(後世に残る遺産)は「歴史が判...
2020.09.01
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政界と財界が揺さぶるNHK (上)
三井物産グループと四季の会 NHKは2021年から2023年までの『経営計画』をまとめました。5項目の重点投資の一つが「NHKらしさを実現するための人事制度改革」です。採用から退職まで人...
2020.09.01
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政界、財界が揺さぶるNHK (下)
文化性を欠く四季の会、JR人脈 JR 関係出身のNHK会長、委員長が目立っています。特にJR東海です。委員長と会長の関係を整理しますと、「上」で書いた初代会長、岩原謙三氏の時代は経...
2020.09.01
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米中激突 どうする安倍外交(下)
軍事、経済に限らず、環境や人権、健康の分野でも米国は明らかに世界から手を引いています。その代表例はパリ協定です。 気候変動への国際的な取り組みを決めたパリ協定に対して、米国...
2020.08.01
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米中激突 どうする安倍外交(上)
「アメリカは国連を脱退するのではないか」―悪い夢にうなされそうです。米国と中国が力づくで対決し、震度5,6級の揺れが日本を襲っています。日本の針路は大揺れだというのに国会は閉会中...
2020.08.01
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安倍首相が軽視する日本語と議論
150日間の国会が終わりました。安倍首相としては最後の通常国会になるかもしれません。あなたが初めて総理大臣に就任された2006年(平成18年)の第159回国会を覚えておりますか。所信表明...
2020.07.01
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「検察官の麻雀は亡国の兆し」
黒川弘務・前東京高検検事長と新聞記者たちとの賭けマージャン問題に対するメディア界の反応に強い関心があります。 事件の発端は朝日新聞とサンケイ新聞でしたが、読売新聞の渡辺恒雄...
2020.06.01
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樋口一葉「奇跡の14か月」
お笑いタレントの志村けんさん、女優の岡江久美子さん、外交評論家の岡本行夫さんら著名人を含めて多くの人たちがコロナで亡くなっています。コロナに限らず感染症の歴史は多くの才能を奪...
2020.05.21
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コロナに立ち向かう女性リーダー
妻に言われました。 「女性の方が速くていいわね」「?」「コロナ対策よ」「えっ、コロナ?」「東京都の小池知事とか、ドイツのメルケル首相とかよ」 なるほど、このところ小池知事...
2020.05.01
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コロナ対策は「始まり」に過ぎない
コロナ対策について日本の対応が遅い、という指摘が内外から聞こえてきますが、今や「シッチャカメッチャカ」の状態です。減収世帯への30万円支給があっさり一人10万円に代わって、補正予...
2020.05.01
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五輪の重荷が消えて
甘すぎる日本の対応、と思えるくらい、新型コロナウイルスの感染は世界中に拡大しています。1月30日に2人の感染者が出たイタリアは、わずか2か月で死者が1万人を超え、火葬が滞るほどにな...
2020.04.01
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毎日新聞のツッパリ精神
小泉進次郎環境相にはがっかりさせられました。新型コロナの会議をさぼって地元後援会の新年会に出ていた。そのこともさることながら、追及されると、何度も同じ答えを繰り返し、まともに...
2020.03.01
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恐るべき20年代の幕開け
激動の「2020年代」が始まりました。「独立メディア塾」はその変化に備えることにしました。 まず第一は内容をご覧ください。過去・現在の出来事、将来に待ち受けているであろう出...
2020.01.22
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花は桜木、散り際が勝負
オリンピックの後、日本はどうなるのか、という議論が活発です。 2019年の漢字に選ばれたのは「令」。流行語大賞になったのは「ワンチーム」。なにか新しい時代の到来を暗示しているよ...
2020.01.01
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昔は焼却、今シュレッダー
天皇即位、令和のスタート、そして台風被害など激動の一年でした。政治の方では怪しげな「桜を見る会」をめぐる混乱が続いています。保身を優先する政治家は「文書を廃棄した」と真相解明...
2019.12.01
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夕刊を廃止しよう
朝日、毎日、読売の三大紙の皆さん、夕刊を廃止しませんか。読者にとってマイナスが目立ってきています。夕刊の役割がなくなってきています。 つい先日の10月25日、菅原一秀経済産業大...
2019.11.01
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中東が苦手な日本
本棚に「アラビアンライト」と書かれた小さな瓶があります。40年ほど前、朝日新聞が中東に取材班送り込んだ時に、取材班の私に石油会社が記念品としてくれたものです。アラビアンライトは...
2019.10.01