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2020年10月号

郵便投票の増で出口調査は無意味に

テレビ朝日アメリカ 社長  武隈 喜一

 Fox Newsの「当打ちデスク」アーノン・ミーシュキンについては9月末のリポートで伝えたが、この経験豊かなミーシュキンによれば、今年は郵便投票があまりにも増えすぎて、通常の出口調査は役に立たないだろうと言う。

https://thehill.com/homenews/media/522244-fox-news-decision-desk-director-unprecedented-volume-of-mail-in-ballots-making

 2003年以降はABC、CBS、NBCの三大ネットに加えて、CNN、Fox、APがコンソシアムを組んでNational Election Pollとして共同の出口調査を行い、データをシェアしてきた。しかし、その正確性については、近年とくに疑問を呈する声が増えてきていた。

  「バイデン有利」を覆すか「隠れトランプ」

 ことに今年は郵便投票が全投票数の6割を超える模様で、そうなると当日の出口調査ではこの郵便票の傾向はまったく探れない。FoxとAPは、すでに二年前から、この出口調査には加わっていないが、投票日前の期日前投票の傾向については独自の調査を続けているという。
 ミーシュキンは、Foxとしても世論調査の結果は結果として伝えてはいるが、ここまでの世論調査が示すような、全体としても激戦州でもバイデン候補リード、という見方には異議を唱えている。今年も「隠れトランプ」現象の影響が大きいからだという。
 また、前回トランプ当選を的中させた調査会社トラファルガー・グループのロバート・カハリー調査主幹も、「隠れトランプ票」によって、トランプ大統領が再選されるだろう、との見方を示しており、「トランプ支持者は今でも世論調査に答えるのにためらいを感じている。それを見落としては正しい結果にはならない」と述べている。

(2020.10.25)

武隈 喜一

テレビ朝日アメリカ 社長

1957年東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科、
東京大学文学部露西亜文学科を卒業後、出版社、通信社などを経て
1992年テレビ朝日入社。1994年から1999年までモスクワ支局長。
2010年から12年まで報道局長。2016年7月からテレビ朝日アメリカ社社長。ニューヨーク在住。

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